
制作の背景
新たに立ち上げられた造園事業「えん造園舎」の世界観を伝えるため、VI(ビジュアル・アイデンティティ)全体の構築をご依頼いただきました。
ロゴマークの開発をはじめ、Webサイト、名刺のデザインまで、事業の第一歩を支えるツールを一式制作しています。

デザイン方針
「自然をいかした庭づくり」事業であることから、地球の大地や水、植物などの自然物をイメージしたアースカラーをベースに、やわらかく親しみやすい雰囲気を表現しています。単に庭という場をつくるのではなく、そこで過ごす「時」をゆたかにしてほしい、そんな想いを込めて、親しみのあるデザインを目指しました。

キャッチコピー
「時をつくる、雑木の杜庭。」
ただ庭をつくり、見栄えを整えるだけではない。庭があることで生まれる楽しみ、喜び、四季の変化などを感じて、心ゆたかに暮らしてほしい。自然をいかした雑木の杜庭には、その力がある。そんな想い・願いを込めています。

ロゴマーク
このシンボルマークは、「杜(もり)」の漢字をデザインしています。
「森」とほぼ同じ意味を持つ「杜」という漢字ですが、「神社の周囲にある木の群生」を指したり、神道上の神聖な意味を出す必要がある場合に使われたり、あるいは「屋敷林」などの「人工林」を意味することもあるようです。
「森」は、山などに自然と生えてきた樹木が生い茂った自然優位の状態、「杜」は、人が関わることで成立している里山のような、人と自然との境界のようなものと捉え、えん造園舎が目指す庭づくり(暮らす人が手をかけながら、関わり合いながら、移りゆく季節、自然の美しさや楽しみを感じられる、小さくて心ゆたかな自然の場)を表現しています。
また、自然素材を使った「できるだけ環境負荷の少ない庭づくり」というコンセプトもあり、「杜」を構成する「木」と「土」の要素に親和性を感じています。


デザインの工夫
やさしく、寄り添うようなあたたかさを感じられるデザインを目指しました。雑木の庭が持つ素朴で豊かな魅力を、Webサイトのトーンや質感にも反映するよう意識しています。
写真は実際の施工風景や庭の様子を丁寧にセレクトし、自然の美しさや四季の移ろいが静かに伝わるように。書体は柔らかく読みやすいものを採用し、言葉のひとつひとつがやさしく届くようにしています。
全体としては、素朴さの中にほんの少しの上質さを加えることで、訪れる人が安心して相談できる信頼感や、誠実なものづくりの姿勢が伝わるよう工夫しました。
Project Data
Client : えん造園舎
Created in : 2021年
Category :
VI/ Webサイト/ イラスト/ キャッチコピー/ ロゴ/ 写真撮影/ 原稿作成/ 名刺/ 更新システム(CMS)
Design : 長谷川弥生
https://en-z.jp/