

制作の背景
地域に根ざした「平口の花火」は、50年以上続く花火大会です。コロナ禍で一時中止となっていましたが、昨年再開し、「これからも盛り上げていきたい」という地域の想いから、今回初めて告知用ポスターとチラシを制作することになりました。また、花火玉の価格高騰により奉納金の協力が一層必要となる中、「お願いしやすい形をつくりたい」「ポスターがあれば」といった声を受けたことも、制作のきっかけとなりました。
デザイン方針
長い歴史の中で、初めてのポスター・チラシ制作。まずはその歴史を振り返り、八幡神社の起こりや、花火大会が始まった経緯に着目し、地域の想いを大切にしながら、伝統と華やかさを両立するデザインを目指しました。また、「地域の人々が花火師のお手伝いをする、手作り感のある花火大会」であることにも注目し、手仕事の風合いを表現することをご提案しました。

デザイン
(ロゴタイプ)
ロゴタイプ「平口の花火」は、神事や花火大会にふさわしい、堂々とした佇まいと高い視認性を兼ね備えたデザインを目指しました。奇をてらうことなく、初めてご覧になる地域の方々にも違和感なく受け入れていただけるよう配慮しつつ、あたたかみや手仕事感を表現するために、書道によって制作しています。

デザイン
(ポスター、チラシ)
「無病息災」「家内安全」「五穀豊穣」「商売繁盛」など、人々の願いを込めて奉納される平口の花火。その光は、この土地に生きた人々が受け継ぎ、守り続けてきた営みの証として、今もなお私たちの心を照らし続けています。先人たちが慈しみ、守ってきた山や川、田畑に心を寄せながら、地域の景観と調和する花火の姿を表現しました。ロゴタイプと同様に、初めて目にする方にも親しみやすく伝わるよう、大和絵のような手仕事のやさしさや、蒔絵のような美しい一瞬を感じさせる表現で、伝統のあたたかさと華やかさを表しています。